セルフトリートメントのすすめ
先人達が残した叡智「セルフ(自分で)トリートメント(治療する)」
諏訪 寛(寛和クリニック院長 / 医学博士 )
人間を含む生物には「自己修復機能」があり、怪我・病気からの回復はすべてこの機能によります。
一般的に治療という行為は、自己修復機能を助けることです。
例えば、薬を飲むのは病気の原因の排除することが目標であり、原因除去により自己修復機能が容易になるようにすることです。
病気は身体の一部の機能が正常に働かなくなった状態ですが、多くの場合、機能の回復を試みます。(治療をします。)
一方、人が人を治療することは決して容易なことではありません。
このことに先人たちは気が付いており、病気になる前、つまり治療が必要になる前に、身体を良くすることを考えました。(機能が少し低下した段階で予防すること)
現代では、この考え方は「未病」という言葉で伝えられています。
よく漢方医学で使われる「未病」という状態は、機能が低下して、通常の生活に制限がでる前の段階(機能が少しだけ低下した段階)で、このままの状態を続けていると、生活に支障が出てしまう事が予想される場合を呼びます。
この「未病」の時点で、自分で病気になってしまう原因を取り除ければ、病気にはならず、毎日を楽しく生活できます。
先人たちは「未病」という言葉と共に、予防する為の多くの知恵を残しています。
「セルフ・トリートメント」とは、この未病の状態を自分で知り、自分で調整することで、病気にならないことを目標とする考え方・方法です。
先人たちの残してくれた知恵を借りながら、現在の環境を考慮し、自分で自分を治すことを目標としてます。
ただし病気になってしまうと、なかなか自力では治り難くなります。その場合は専門家(医師等)に御相談いただく必要があります。
セルフトリートメントでは、生活の中でも特に「食」「運動」「睡眠」を重要と考え、これらに関する情報を順次提供させていただこうと考えています。
諏訪 寛(すわ ひろし)先生
1963年生まれ。寛和(かんわ)クリニック院長。
免疫学、生理学、発生学など専門分野の研究を日本のみならず、海外(米、仏、独 他)にて行う。
2008年大阪市阿倍野区にて「寛和クリニック」を開設。現代医学に、漢方医学とメディカルマッサージを取り入れ、人に優しく、より効果的な治療を目指す。
近年においては“ 予防医学” の重要性に着眼し、「食・運動・睡眠」を中心に、生活の中で体調改善を行うことを目的とした「セルフトリートメント(Selftreatment)プログラム」を独自で考案。
在宅支援クリニックにおいて地域医療に従事する多忙なスケジュールの傍ら、講演会、取材、執筆を通じて健康の質を高め、楽しく人生を送るためのセルフトリートメントプログラムの啓発活動に力を注いでいる。
諏訪 寛 先生 経歴
- 1990年3月 東京医科大学医学部卒業
- 1990年6月 東京都立駒込病院 臨床研修医
- 1992年6月 東京都臨床医学総合研究所 免疫研究部勤務
- 1995年4月 東京医科大学 第2生理学教室
- 1995年9月 ニューヨーク大学医学部 生理学教室
- 1999年1月 パリ第6大学 薬理学教室
- 1999年5月 科学技術振興事業団 近藤プロジェクト(フライブルグ大学)
- 2002年4月 徳州会神戸病院勤務
- 2005年4月 徳州会松原病院勤務
- 2007年4月 同病院 退職
- 2008年2月 大阪市阿倍野区にて「寛和クリニック」を開設。
外部リンク
寛和クリニック http://www.kanwa-clinic.com/